衆安保険、海外でも活躍している中国初のオンライン保険会社

  • 2020年7月16日
  • 2020年7月17日
  • InsurTech

アリババ、テンセント、中国平安保険3社の創業者の出資により、2013年に設立された中国初のオンライン損害保険会社である衆安保険(ZhongAn)は、2014年にアリババのECサイトにおける返品送料保険の販売数が1日に1億件を突破したことで注目を浴びていました。
その後、衆安保険は多様な損害保険商品の幅広い拡充のほか、保険ITサービス事業と銀行事業の展開、そして海外進出を果たしています。
衆安保険は2017年9月以来香港で上場しており、時価総額が2020年7月中旬時点で700億香港ドル(約9,700億円)程度です。
本記事では、衆安保険の事業や今後の展望について説明します。

衆安保険の事業内容

衆安保険は保険事業を軸に展開しており、保険ITサービスのほか、遺伝子検査ネット銀行等のサービスも提供しています。
以下のグラフは衆安保険の各セグメントの純利益(純損失)です。


2019年には、衆安保険の保険事業の利益が大幅に上昇したため、純損失が前年比64%減少しました。
ここでは、衆安保険の保険事業や保険ITサービス事業について説明します。

保険事業

衆安保険の保険商品は主に以下の5つのエコーシステムに分けられています。

  1. ヘルス(例:医療保険、重大疾病保険)
  2. 生活消費(例:返品送料保険、配送遅延保険、ペット保険)
  3. 消費者金融(例:貸主向けの信用保険、保証保険)
  4. トラベル(例:旅行保険、航空機遅延保険)
  5. 自動車(例:自動車保険、賠償責任保険)

衆安保険では、2019年の保険料収入が前年比30%増の約146億中国人民元(約2,230億円)に達しました。
保険料収入の増加の主な要因は、決済アプリであるAlipayにおける医療保険やペット保険等の販売数、衆安のサイトやアプリ等の自社プラットフォームにおける医療保険販売数の伸び率が好調だったことです。
衆安保険が積極的に保険知識や健康管理等の様々なテーマに関する記事をSNSのチャネルで共有したり、ユーザーに共有されたりしたことで、自社プラットフォームへトラフィックが増えました。
衆安保険の自社プラットフォームにおける販売の割合は、2019年に全体の医療保険料収入の24%を占め、前年比7.6倍増加しました。

出所:衆安保険の公式サイト

衆安保険の保険事業は2019年に投資収益の大幅増や全体コンバインドレシオの改善により、純利益が黒字化になりました。
コンバインドレシオとは、保険会社の収益力を表す指標です。
保険会社の「損害率」と「事業費率」という2つの数値を合算したもので、数値が少ないほど、保険会社の事業効率は良く、収益力が高いと判断されます。
衆安保険の5つのエコーシステムごとのコンバインドレシオをみると、ヘルスは相対的に低く、77%であるのに対し、消費者金融は100%を超え、保険引受損失を抱えています。

また、衆安保険は研究開発に注力しており、バリューチェーンにおける保険業務システムやマーケティング等を強化しています。
例えば、衆安保険の「無界山(Wujieshan)」という保険業務システムが進化し、1,000億中国人民元(約1.5兆円)の保険料規模の対応が可能になることや、保険契約成立も保険金請求処理も9割以上が自動的に行われていることが挙げられます。
衆安保険の研究開発は保険事業だけでなく、以下の保険ITサービス事業でも活用されています。

保険ITサービス事業

衆安保険は2016年7月に保険ITサービス事業を立ち上げ、2017年12月に衆安国際(ZhongAn International)を香港に設立し、海外市場を展開しています。
現在では以下の5つの保険ITサービスが提供されています。

  1. Graphene: 各販売チャネルと接続し、20億件以上の新規契約件数を処理することができる保険業務システム
  2. Fusion: 保険会社と事業会社のプラットフォームをつなぎ、顧客のニーズに応じたオンライン保険商品を提供するサービス
  3. 自社のシステムとの統合を必要としない保険販売プラットフォーム
  4. 顧客分析やシナリオ設計などのマーケティングソリューション
  5. データ分析による商品リスク管理・リスク対策のソリューション

2019年までに保険会社や事業会社等36社が衆安保険の保険ITサービスを利用しており、その中には、日本の損保ジャパンやシンガポールのNTUC Income保険会社や配車サービスのグラブ(Grab)といった海外企業があります。
衆安保険の保険ITサービス事業は収益が年ごとに2倍以上で伸びている一方で、純損失が3億元程度であり、赤字で運営されています。

将来の展望

今後、収益力を向上させるために、衆安保険は自社プラットフォームにおける保険販売の更なる拡大を目指しているようです。
自社プラットフォームにおける保険販売によって、代理手数料を削減し、契約更新を効率化し、クロスセールスを増やすことができるからです。
5つのエコーシステムによる保険料収入の割合は、ヘルスは引き続き最も高くなっていく一方、最も高いコンバインドレシオの消費者金融の割合は更に下がっていくと予想されています。

衆安保険の保険ITサービス事業に関しては、利用企業数が多ければ多いほど、積み上げた経験を活かすことで研究開発費用等の運営費用を抑えることができると考えられています。
また、2020年に香港で開業された衆安ネット銀行およびオンライン保険会社の衆安人寿は、中国と香港との間の緊張関係にどれほどの影響を受けているかについても関心を寄せています。

参照:衆安保険 2019年度の財務報告

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