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中国P2P医療互助サービスに参入相次ぐ(後編)

本記事では、中国のインシュアテックである水滴のP2P保障プラントフォーム・治療費クラウドファンディング・保険仲立事業を組み合わせた三本柱のビジネスモデルの概要を説明します。

水滴の事業戦略、実績

水滴は2016年5月に設立され、P2P医療互助プラットフォーム「水滴互助」を開始しました。水滴互助は、主に都市規模や経済規模などが全国の基準に比べて低い地域の住民を対象に、助け合いP2Pの仕組みによる安価なガン保険を提供しています。また2016年7月には、保険に入っていない人々が、疾病による高額な治療費を募ることを支援する、治療費クラウドファンディングのプラットフォーム「水滴筹」をリリースしました。

保険が普及していない中国において、水滴互助は水滴筹というサービスを広めたことによって、「保険」という商品の存在と、保険に加入する重要性を広く浸透させたと言われています。
そして安価な保険料を魅力に水滴互助へ取り込むことで、加入者を大幅に増加させたと考えられます。

水滴は翌年2017年5月にネット保険仲立人「水滴保险商城」を展開し、水滴互助の加入者に向けた全面的な保険サービスを提供し始めました。

以上の「水滴互助」、「水滴筹」および「水滴保险商城」が、水滴のビジネスモデルにおける三本柱となっています。

水滴の事業戦略において、水滴互助および水滴保険商城は利益の源として、水滴筹は公益事業として位置付けられています。
水滴互助は、2019年3月からプラットフォームの運営費用を保険料に上乗せ、受け取っています。
また、水滴保险商城は60社以上の保険会社と連携、80点以上の保険商品を販売し、契約者数が2019年5月から12月に約3倍超、4,000万人を上回りました
その中で初めて保険に加入した契約者の割合は90%を占め、水滴の戦略が極めて効果的であったことが裏付けられています。

類似会社の事業沿革

2019年6月に中国のインシュアテック企業の悟空保は過去行われた、二度目のエンジェルラウンドを行い、6,000万ドル(約64億円)を調達しました
悟空保は今回の調達により、新サービスとなるP2P保険プラットフォーム「悟空互助社」及び治療費クラウドファンディング「悟空筹」の拡大を図り、既存の保険仲立事業「悟空保」を合わせた三本柱の事業戦略を推進していきます。

実はこの戦略は、水滴会社のビジネスモデルを元にしたと考えられます。
以下に水滴会社軽松筹悟空保三つの類似会社の事業沿革についてまとめました。

サービスの拡充

十分な顧客基盤を持つ水滴互助では、保険サービスの提供のみならず、医療機関受診予約や医者による医療相談、健康食品の販売といった様々な医療関連サービスの提供を始めています。
他方でサービス開始から日が浅い悟空互助社は、今後いかに新規顧客数を増やしていくかが目下の課題と考えられます。

関連記事:中国のP2P医療互助サービスに参入相次ぐ(前編)