justInCaseについてインシュアテック2018.05.11

ゴリラで学ぶInsurTech その2の2

ゴリラで学ぶInsurTech その2の1からのつづき。

那須川教授

ありがとうございます。今まで見えなかった再保険業界の一端を見ることができました。
ここでそもそもなんですが、IXTが使っているブロックチェーン技術を知りたいのコーナーということで、那須川さんにお話頂きたいです。
もういらなくない?みんなの方が詳しいでしょ?

なんだかんだノリがいい

いや、そんなことないですよ。
じゃあ…この本はビットコインやるひとがみんな見るはずの本なんですけど、最後の数ページの解説がすごいわかりやすくて、それを見つつ解説していきたいと思います。つまり解説の解説(笑)

ビットコインとブロックチェーン 暗号通貨を支える技術
アンドレアス・M・アントノプロス (著), 今井崇也 (翻訳), 鳩貝淳一郎 (翻訳)
出版社: NTT出版

以下各画像出典:ビットコインとブロックチェーン 暗号通貨を支える技術

※以下の解説で使用するイラストは、鳩貝さんご自身がエクセルで作ったらしいです!
掲載の許可をいただきました。ありがとうございます。

既存のシステムとの比較というお話なんですけど、従来は中央にサーバーがあって周りにユーザーがいます。
ブロックチェーンでは中央って概念がなくてみんながそれぞれつながってる、というイメージです。

ここだけみるとP2Pとブロックチェーンの相性いいんじゃないか?って思う人もいるんですけど、そんなこともないよというお話なんです。

従来ならアリスがボブにお金送りたいっていうとまず真ん中のサーバーに指示が行って、真ん中の管理者が帳簿を書き換える。
で、ボブは書き換えられた帳簿を参照して入金があったことを確認する。

この食いつきのよさよ

だけどブロックチェーンを使うと全然違くて、アリスがボブにお金送りますって言ったときに、その情報がみんなのとこに飛びます。それぞれが持ってる台帳を書き換えることで、アリスがボブにお金を送りましたよという事実をみんなが認識するというのが基本です。
真ん中の人がいなくても、みんなが不正のないやり取りを実現するのがブロックチェーンです。
次にブロックチェーンには
・トランザクション
・ブロック
・ブロックチェーン
という概念があります。
トランザクションは一番小粒のもの。アリスがボブに1BTC送ったという取引をトランザクションといいます。つまり「指示」ですね。

アリス1BTC送るとか金持ちかよ

ブロックはいくつものトランザクションをまとめたもののことを言います。そしてそのまとめたトランザクションをみんなで正しいか検証することになってます。
この時点ではまだ取引完了してないんです。なのである程度たまったトランザクションをブロックにまとめて、内容が正しいかみんなで検証していく。

だから、トランザクション量が増えすぎると、送金に何日もかかるとか詰まるといった現象が発生するんです。
なるほどね!!
で、その検証するプロセスをマイニングと言います。
検証で正しさが証明されると、晴れてブロックがブロックチェーンに組み込まれます。それでやっと正式な取引として認証されるわけです。
「掘る」っていう言い方をしたりするんですけど、掘れるとブロックチェーンに組み込まれて、掘った人に報酬が払われます。
報酬が欲しいからマイニングする。他の人達はマイニングが本当に成功していることを検証してからくっつける。
だからブロックチェーンに参加してるみんなの台帳は常に同じ内容に保たれてる。
ただ、ビットコインの場合は送金しかできません。送金以外の処理を実現したいのであればブロックチェーン上で動かすコードを作って動かす必要があります。
例えばウチで言うと修理費用4万円の保険金請求が発生したら保険料4万支払うとかコードに埋め込んでおくと自動処理されます。
それもみんなマイニングするの?
します。
じゃあマイニング自体はどういうことしてるの?ってことですけど、ブロック単位でマイニングしますが、ブロックに格納されているのはトランザクションの情報の他に、直前一個前のブロック情報とnonce(ナンス)という数字も入っています。

どんな値をいれるとどんな値が返ってくるか全く見当がつかない、ある関数があります。この関数にブロックをいれるとある数字が出てきます。
この出てきた数字が一定の値以下ならマイニングできたことになるんですね。マイニングする人はマイニングできるまでいろいろなnonceをひたすら試すことになります。1でダメ、2でダメ、・・・、100億でダメ、100億1で、あ、イケた、みたいな。
世界中のマイニングマシーンががんばって、だいたい10分に1回成功するくらいのペースです。

なんでそんな大変なことして計算しなくちゃならないの?
過去のブロックを改竄させないためです。
悪いやつが昔の記録を改竄したいと思ったときに、たとえば5個前のブロックを書き換えたい。帳尻合わせるためにそこから先の5個のブロックも全部なおさないといけないけど絶対できない。一個のブロックを計算するのに世界中の力を使ってマイニングして10分かかるものを自分のパソコンでやるのは実質無理。
だからあえて電力を超絶無駄遣いしてみんなに10分がんばってもらってるんです。
全世界で10分頑張ってある関数にブロックを通してある数字がでてきて、この数字が一定の値以下ならセーフみたいな無駄な作業をひたすらしてます。
そして成功するとブロックチェーンに組み込まれる、それの繰り返し。

これが無限につづいていく…

ビットコインってどんなに高性能マシンでもとにかく送金に10分くらいはかかる。そういうものなんです。
ということは最近増えてきたビットコイン支払いって実際使うと10分かかる?
かかります。ブロックチェーンに正式に書き込まれるのに10分はかかりますからね。
マイニングしてると全く同じタイミングで別々のマシーンがマイニングに成功しちゃう可能性がある。その場合はブロックチェーンが分岐、フォークします。
その後それぞれにブロックが組み込まれていって成長していくけど、最終的には短いほうはなかったことになります。長く成長したほうだけがブロックチェーンとして残る。
で、一度承認した送金がなかったことになっちゃうと困るので、ウォレットにもよるけど、例えば書き込まれてからあと3回はブロックが伸びるまで待つ、みたいになっています。
送金が行われてからブロックチェーンに取り込まれて、それがある程度長くなるまでは送金完了として認めてもらえないから、送金には時間がかかるってことなんです。3回待つなら30分かな。

お酒を飲みながら熱くなるCAO

メリットとしては参加者みんな同じデータを持ってるから障害に強い。データの改竄は先述の通り全て自分でマイニングやり直さなきゃいけないので事実上不可能です。
ネガティブな面としては、BitcoinCore(※)開発者の誰かが話しているのを聞いた記憶がありますが、ブロックチェーンは日本じゃ流行らない。管理者を信用できない場合しか使いみちがない。管理者がいる場合は中央集権でマシン持ってる方がやすあがりだし、日本みたいな安全な国では流行らないのでは、という見解もあります。

※ビットコインを利用するために必要なオープンソースソフトウェア。Satoshi Nakamotoの論文を元に集まった有志たちが日々開発してる

ちょっと眠くなってきた

そして壮絶な資源の無駄遣い。すさまじい電力の消費量です。世界中のパソコン使ってますから(笑)
今後もマイニングやってる限りは時間はかかりますね。
あとBTCは取引手数料高いです。
1000円支払うのに2000円かかるとかいう時期がありましたね。支払いに30分かかって手数料もやたら高かったら誰も使いませんよね(笑)

技術やさんからみるIXT

解説ありがとうございます。今までなんとなくだったブロックチェーンの仕組みがわかってきました。
ところでそんな那須川さんから見てIXT(iXledger)は技術的にどうなのでしょうか?
まずソースコードなど非公表なのでなんとも見えないところはありますが、そもそもブロックチェーン上に置いた情報は誰でも見れてしまいます。なのでブロックチェーン上に秘密情報や個人情報は保存できません。
となるとiXledgerは一体ブロックチェーンを使って何をするんや?
そうなんです。結局別の保存先が必要です。そのアクセス権をブロックチェーンで管理するのかな?
ブロックチェーン上に保険の契約をそのまま乗っけるっていうのは無理かなと。契約履歴とか状況とか、見られたらまずいものが誰でも見れちゃうますからね。
他に気になるところとしては、中央集権的にしちゃうと信用がなくなるのではないかなと考えてます。
中央集権=今までとやってることが同じになっちゃいますからね。でもスマートコントラクト、つまり自動化されたシステム上で可視化できていれば安心かな。

確かにそうですよね。現状の銀行などとなんら変わらなくなっちゃう。
次にブローカーを通す、つまり従来の仕組みであれば紙やpdfベースで様々な人手に渡り処理次第によっては一ヶ月以上かかりうるものが、ブロックチェーンによってかなり時間削減できるのではないかなと見てます。
最後に、ブロックチェーン上に保険契約情報を乗せられないから外部ストレージに機密情報を保管しブロックチェーンではアクセス権を管理するのではないかなと。
ふむふむ、IXTの今まで見えてなかったところが那須川さんのおかげでかなり見えてきたで!ホンマ感謝や!

まとめ

ゴリラさん達はIXT、iXledgerにどうなって欲しいと考えてますか?
もちろん成功してほしいと思うで。
ただIXTだけではなくてInsurTech自体が明るくなる認知されるとええな。ベンチャーから始まって、大きな企業さんとつながっていってほしいわ。競争するのではなくて他社と手を取り合って業界を広めていってほしいで!
確かに戦ってもしょうがないんでつながっていってほしいですよね。
僕も同じで大きな潮流を作ってもらいたいですね。そしてその中で「実は日本のIXTホルダーたちはなぜかゴリラが多かったんだ」みたいなことを公式のインタビューとか、どこかで話してもらいたいです(笑)
一般市民が知ってるくらい認知が広がるといいですね!
そうですね!そんなわけで…
今日はスマホ保険から始まりIXT、ブロックチェーン解説など長時間に渡りためになる話ありがとうございました!
なんだかんだ4時間以上話しましたね(笑)

ありがとうございました!

justInCase / そのスマホ、画面が割れる前に。